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竹下裁判

『判決の真実』米本和広

はじめに
1.争いのない事実および標準診断
2.判決文の構成にみられる偏頗性
3.証拠採用の偏頗性
4.手術と傷害の関係について
5.「65万分の1」の確率
6.死人に口なし
7.竹下裁判控訴審の意義

 pdf版はこちら

  ※ 一審・静岡地方裁判所判決(2004年3月18日)

7.竹下裁判控訴審の意義

 「はじめに」から「6.死人に口なし」まで読まれてわかる通り、佃裁判長は「はじめに乳癌ありき」で判決文を書いています。小坂氏は「はじめに癌ありき」で竹下さんの乳房を摘出し、佃氏は「はじめに癌ありき」で、竹下さんは癌だったという判決を下しているのです。

 佃氏は清水病院・小坂氏をかばうあまりなのか、小坂氏が主張していないことまで、判決では“主張”してしまっています。2、3例をあげておきます。「控訴理由書(2)」にも書いてあります。ちょっと笑えます。

@小坂氏は、家族に説明する日を92年1月6日と定めたのは91年12月28日の癌告知をした日であった。
(そんな証拠はどこにもない。小坂氏が提出した看護記録によれば、1月6日に家族に説明することになったのは、1月6日の早朝、竹下さんが看護婦に訴えたことによって決まったものである)

A小坂氏は、92年1月6日に塩野義製薬のT氏に永久標本を喜納教授に届けるように頼んだ。そのとき、封筒の内容物が永久標本かどうか説明することはなかった。
(小坂氏の2度目の証人尋問のときに、小坂氏はT氏に永久標本が入っていることを説明して封筒を渡したと供述している)

B小坂氏は多田医師の診断結果を踏まえ、1月6日に家族に説明した。
(小坂氏は二度の証人尋問のいずれでも、多田医師が診断したのは1月7日であると供述している。多田病理医の病理診断を待たずに家族に“最終診断”の説明をしたと小坂氏自身認めているのに、佃氏は「そうではない。小坂氏は多田病理医の診断を踏まえて家族に説明した」と被告・原告の主張とは関係なく、勝手に“主張”しているのである)

 ここまでくれば、佃氏は小坂氏を勝たせるために、証拠を無視・歪曲して、事実認定しているとしか解釈しようがありません。

 竹下さんが佃判決は不当判決だとして、東京高裁に控訴したのは当然のことでしょう。
 控訴審では一審の事実認定の間違いが争われることになります。しかし、一審で事実認定してしまったものを覆すのは、新証拠でもない限り、きわめて難しいのが現状です。上記の@〜B程度は改めるでしょうが。

 控訴審での注目すべきことは、DNAの再鑑定申請が認められるかどうか、認められた場合、どういう鑑定結果が出るかにあります。そしてそれに基づき、事実認定がどのように書き換えるのか。
 控訴審で竹下さんたちが申請している鑑定法は、「鑑定申請書」にあるように、癌の突然変異に左右されない科学的な方法によるものです。

 ミステリアスな法廷劇の結末にどうかご注目ください。

 最後に一言。
 慶応大学放射線科医の近藤誠さんがおっしゃるように、身体にメスを入れることは医者に許されていることだとしても、それは身体に病変がある場合に限るのであって、病変がなればどんなに名医であれ、傷害罪に問われます。
 小坂氏に癌と診断されすぐに手術が必要だと言われた女性で、他の病院で受診したところ、癌でもなんでもないと診断された人たちが何人もいます。これは私の誇張ではなく、清水市議会で市議が「私はそういう人を3人知っている」と病院を追及していることです。手術が必要と言われた女性が逃げ出して他の病院を受診していなければ、乳房を摘出されていたでしょう。
 私が竹下裁判を注目しているのは、竹下さん以外にも小坂氏が乳癌(悪性腫瘍)ではないことを知りながら、メスを入れていたのではないかと疑っているからです。もしそうだすれば、必要ないのに子宮を切除しまくった富士見産婦人科の事件と同じです。富士見産婦人科は子宮を切りまくり、小坂氏は乳房を切りまくる・・・。
 10年間で1000人の切除手術した中には、竹下さんと同じような目にあった人が相当数いると思います。しかしながら、竹下さんのように声をあげないのは、清水市特有の保守的風土を背景に、乳房を切除されたことを周囲に知られたくないという女性特有の心理が働いているからだと思います。
 しかし、竹下さんが勝訴すれば、同じように勇気をもって小坂氏を訴える人が出てくるのではないかとも思います。小坂氏がいれば乳癌患者が増え、小坂氏がいなくなれば乳癌患者は全国平均レベルになる。こんなバカなことが許されていいはずはありません。
 なお、以上綴ってきた文章の責任は私にあり、「清水病院から被害をなくす会」には一切ないことを付け加えておきます。私は医療専門のルポライターではありません。原稿に間違いがあれば訂正しますので、どんどん指摘してください。
 私のメールアドレスはk-yonemoto@ann.hi-ho.ne.jpです。ただし、実名でお願いいたします。

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